家屋解体を行う際、建物そのものに関する心配はもちろんですが、家の中に残された大量の家財道具(家具、家電、衣類、食器など)の処分方法に頭を悩ませる方は少なくありません。
「タンスやベッドを残したまま解体工事を依頼していいのだろうか?」「解体業者に全て任せると割高になるって本当?」
家財道具の処分を失敗すると、解体費用が予想以上に膨らんでしまう、あるいは解体工事のスケジュールに遅れが生じるといったトラブルにつながりかねません。
この記事では、解体前の家財道具の最適な処分方法について、特に「解体業者に依頼する」場合と「不用品回収業者に依頼する」場合の違い、それぞれの費用相場とメリット・デメリットを徹底的に解説します。
賢く、お得に、そしてスムーズに家財を整理し、解体工事に備えましょう。
1. 家財道具を残したまま解体するとどうなる?

家屋の解体工事は、基本的に建物本体の構造物や建材の撤去・処分を指します。家の中に残された家具や日用品といった「家財道具(残置物)」は、解体工事の費用には含まれていません。
残置物があると追加費用が発生する
家財道具(残置物)が残ったままの状態で解体業者に見積もりを依頼した場合、業者は建物の解体費用とは別に「残置物撤去費用」を計上します。
この費用は、残された家財の量や種類に応じて算出されますが、ご自身で自治体のルールに従って処分するよりも割高になるケースが多いのが現状です。
なぜなら、解体業者にとって家財道具の処分は専門外の作業となり、法的な制限があるためです。
法律上の廃棄物の違い
費用が高くなる最大の理由は、廃棄物の区分にあります。
- 家屋の建材(木材、コンクリート、瓦など):産業廃棄物
- 家庭から出た家財道具(家具、衣類、食器など):一般廃棄物(家庭ごみ)
解体業者は産業廃棄物の収集運搬・処分に関する許可は持っていますが、一般廃棄物の許可を持っている業者は限られています。そのため、一般廃棄物である家財道具を処分する場合、解体業者は以下のいずれかの対応をとります。
- 一般廃棄物の許可を持つ外部の不用品回収業者に再委託する(中間マージンが発生)
- (違法なケースもありますが)家屋の廃材と一緒に不適切な処理を行う
- 自社で一般廃棄物の許可を取得し、解体と併せて回収する(少数派)
この再委託による中間マージンが、費用を押し上げる大きな要因となるのです。
2. 処分方法の選択肢と費用の比較

家財道具の処分には、大きく分けて3つの方法があります。費用を抑えたいのか、手間を省きたいのかによって最適な方法が異なります。
| 処分方法 | 特徴 | 費用の目安 | 手間 |
| A. 自治体(福山市)の粗大ごみ・一般ごみで処分 | 最も費用が安い。分別の手間と時間がかかる。 | 最小(数百円〜数千円/個) | 大(全て自分で分別・運び出し) |
| B. 不用品回収業者に依頼 | 全てまとめて回収可能。買取で費用が安くなることも。 | 中(トラック積み放題プランなど) | 小(運び出しは業者が対応) |
| C. 解体業者に一括依頼 | 手間は最もかからない。費用は割高になる傾向。 | 大(解体費用に追加) | 最小(全てお任せ) |
2-1. 【A】自治体の粗大ごみ・一般ごみで処分する
- メリット:費用が最も安い。福山市のルールに従えば適正に処分できる。
- デメリット:手間が非常に大きい。全ての家財を自分で分別し、指定の場所まで運び出す必要がある。大型家具や家電リサイクル品(テレビ、冷蔵庫など)は手続きが煩雑。
2-2. 【B】不用品回収業者に依頼する
- メリット:手間と費用のバランスが良い。福山市内にも多数の業者がおり、大型家具や大量の不用品も一括で引き取ってくれる。「トラック積み放題プラン」を利用すれば、費用を明確に抑えやすい。
- デメリット:悪質な業者に注意が必要。一般廃棄物収集運搬の許可を持たない違法業者も存在するため、業者選びを慎重に行う必要がある。
【福山市】不用品回収の費用相場(積み放題プラン例)
福山市内の不用品回収業者では、以下のような「積み放題パック」が主流です。(※業者や時期により変動します)
| トラックのサイズ | 料金目安(運搬費・処分費込み) | 回収量の目安 |
| 軽トラック | 15,000円〜30,000円程度 | 単身者の引っ越し程度、少量の家具・家電 |
| 2tトラック | 50,000円〜100,000円程度 | 2DK〜3DK程度の家財、実家の片付けなど |
| 4tトラック | 100,000円〜200,000円程度 | 大量の家財、家一軒まるごと(全撤去) |
※上記費用に加えて、エアコンやテレビなどの家電リサイクル料金が別途加算されます。
2-3. 【C】解体業者に一括依頼する
- メリット:手間が一切かからない。解体工事の打ち合わせのみで全てが完了する。遠方にお住まいの方にとっては非常に便利。
- デメリット:費用が割高になりやすい。解体業者の中間マージンが上乗せされるため、自社で一般廃棄物処理の許可を持つ業者以外では、費用対効果が低い場合がある。
3. 解体業者と不用品回収業者の決定的な違い

家財道具の処分を検討する上で、この二つの業者の役割の違いを理解しておくことが非常に重要です。
| 項目 | 解体業者(家財処分を請け負う場合) | 不用品回収業者 |
| 専門とする業務 | 建物(産業廃棄物)の解体・撤去 | 家財道具(一般廃棄物)の回収・処分 |
| 費用が高くなる理由 | 一般廃棄物処理のための再委託による中間マージン | 許可と運搬・人件費に基づいた適正な費用 |
| 最適な依頼対象 | 建材、設備品(ユニットバス、キッチン、給湯器など) | 家具、家電、衣類、日用品 |
| リサイクル・買取 | 基本的に対応不可 | リサイクル・買取を積極的に行う業者が多い |
| 手間 | 最小(全てお任せ) | 中〜小(分別・仕分けは自分で行う方が安くなる) |
【結論】費用を抑えるなら不用品回収業者、手間を完全に省くなら解体業者。
家財道具(タンス、ソファー、食器など)の処分は、分別や買取査定などによって費用を抑えられる可能性が高いため、不用品回収業者または自分で自治体処分を行うのが賢明です。
解体業者に依頼するのは、家財道具の搬出が物理的に困難な場合や、遠方に住んでいて立ち会いが難しい場合に限定すると良いでしょう。
4. 費用を抑えるための賢い処分戦略(福山市対応)

解体費用全体の負担を軽減するために、家財道具を処分する際には以下の流れを参考に進めましょう。
ステップ1:売却・譲渡できるものを分ける
処分費用を「利益」に変えるチャンスです。
- リサイクルショップ・買取業者:比較的新しい家具、ブランド家電、貴金属、骨董品など。
- フリマアプリ・オークション:手間はかかるが、高値で売却できる可能性あり。
- 知人・寄付:まだ使えるものは譲渡や寄付を検討。
ステップ2:自分で処分できるものを片付ける
自治体で処分できるものは、費用が格段に安くなります。
- 一般ごみ:衣類、食器、細かな日用品など、福山市の分別ルールに従って捨てる。
- 粗大ごみ:指定の連絡先に申し込み、粗大ごみシールを貼って指定日に出す。
- 自己搬入:福山市のゴミ処理施設へ自分で持ち込めば、収集を待つ必要がなく、手数料も割安になることが多い。
ステップ3:残ったもの(大型・大量)を専門業者に依頼
上記2ステップで残ったもの(重くて運べない大型家具、大量の雑多な不用品など)を処分します。
- 不用品回収業者:回収専門の業者に依頼し、「積み放題パック」などを利用して費用を抑える。
- 解体業者:どうしても処分が困難なごく一部の残置物のみを、解体工事と一緒に依頼する。
福山市の解体工事関係のことなら「解体工事専門店.Reno」へご相談ください!





