内装解体とは、建物本体の構造部分はそのままで内装部分だけを解体する工事のことです。
具体的な例として、ビル内の店舗が退去する場合、内装解体が行われ、建物を元の状態に戻す原状回復工事が行われます。
この記事では、内装解体の種類やかかる費用の目安、解体業者に依頼する際のポイント、そして依頼費用を抑える方法について詳しく解説します。
内装解体の種類
内装解体には主に原状回復工事とスケルトン工事の2つの種類があります。
原状回復工事
原状回復工事の内容は、入居者が行った改修や新設工事を撤去し、元の状態に復元することです。これには以下のような作業が含まれます
新設部分の撤去: 入居者が新しく設置した天井、壁、床などの内装部分を取り外します。これには、壁紙の剥がし、床材の撤去、天井材の取り外し等が含まれます。
設備の撤去: 入居者が取り付けた設備や設備機器の撤去作業が含まれます。例えば、カスタムキッチンや照明器具、エアコンの撤去などが挙げられます。
修繕・補修作業: 撤去した部分や設備の跡地を修復し、元通りに戻すための補修作業が行われます。これには傷ついた壁の修復、床の補修、ペンキ塗りなどが含まれます。
清掃作業: 撤去や補修が終わった後に、部屋全体を掃除し、綺麗に整える作業も原状回復工事に含まれます。
原状回復工事は、物件の所有者が入居前の状態に戻すことを求めるため、入居者が行った変更があればそれを撤去し、物件を次の入居者に提供可能な状態にすることが主な目的です。
スケルトン工事
スケルトン工事(Skeleton Construction)は、建物や構造物の基本的な骨組みや骨格部分を構築する工事のことを指します。
これは、建物の主要な構造的要素を形成する初期段階の工事であり、基本的な骨組みを作ることが目的です。
スケルトン工事が完了すると、建物の基本的な構造が完成し、その後の内部や外部の仕上げ工事に進むことができます。
具体的な要素としては以下が挙げられます
基礎工事: 地盤に建物を支えるための基礎を築く工事が含まれます。これは建物全体の安定性や耐久性の基盤となります。
骨組み構造: 壁、柱、梁、屋根など、建物の主要な構造要素を形成するための骨組みが組まれます。通常、鉄骨構造やコンクリート構造が使われます。
屋根の構築: 屋根の骨組みや防水層の設置が行われます。これにより建物内部を外部の気象から保護します。
外壁工事: 外部の壁や外装の一部が取り付けられることがあります。
ただし、これは通常、外装の仕上げ工事が行われる前の初期段階のものであり、最終的な外装は後の工程で行われます。
スケルトン工事が完了すると、建物の基本的な構造が整い、その後の工程で内装や外装の仕上げ工事、設備の取り付けなどが進められます。
スケルトン工事の段階では、建物の基本的な形状や構造が確立され、それを基に建物全体の完成度を高めていくことが求められます。
内装解体の対象
建物の用途により内装が異なります。
例えば、事務所と飲食店舗では内装の特徴が異なり、退去時の原状回復工事や内装解体の対象も異なります。
造りつけの家具や機器も内装解体の対象になります。
内装解体にかかる費用
内装解体には様々な費用がかかります。
主なものとして、解体の作業費、廃材の運搬処分費、残置物の処分費、養生や清掃、届出や申請の費用などが挙げられます。
建物の用途によっても費用が異なり、坪単価の目安があります。
・事務所:15,000~30,000円/坪
・飲食店:15,000~40,000円/坪
・美容室:15,000~30,000円/坪
内装解体の依頼費用を抑える方法
内装解体の費用を抑えるための方法として以下の5つが挙げられます。
引き渡し日まで余裕を持つ
スケジュールに余裕を持つことで、解体業者が値引きに応じる可能性があります。
内装会社に解体を依頼しない
内装工事を依頼した会社に解体も頼むと中間マージンが発生するため、解体業者に直接依頼することで費用を削減できます。
残置物は自分で処分する
残置物を自分で処分すると、産業廃棄物扱いにならず費用を節約できます。
不用品は買い取ってもらう
売れるものはリサイクルショップや買い取り業者に売ることで、費用を減らせます。
複数の業者から見積もりをとる
複数の会社から見積もりをとることで、最もコスト効果の高い業者を選ぶことができます。
内装解体を依頼する際のポイント
内装解体を依頼する際には以下の3つのポイントに留意することが重要です。
工期について確認する
原状回復工事は契約期間内に完了させる必要があります。
スケジュールの確認と余裕を持たせることが大切です。
隣接した店舗への挨拶や配慮をする
隣接店舗に迷惑をかけないよう、事前に挨拶と共有を行い、工事中の騒音や振動などに十分な配慮が必要です。
リフォームの際は打ち合わせを重視する
リフォームの場合は、どこを残し、どこを解体するかを詳細に打ち合わせし、文書や図面で確認することが必要です。
内装解体は慎重な計画と適切な協力体制が求められる作業であり、これらのポイントを守ることでスムーズな工事が期待できます。
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